2008年01月05日

忍耐することで得をする

私の職場にはコールセンターがあります。

そこで、「忍耐することで心が成長する」姿を多く見てきました。

そのコールセンターの主な業務は質問の回答ですが、クレームの電話も少なくありません。

若い女性が多いその職場では、電話を切った後でよく泣いている姿を見ますし、休憩室で誰かが泣いていたという話をよく耳にします。

若い女性のオペレータに対して、容赦なく「いじめ」の様にクレームを言ってくる人がいます。誰にも聞かれていないのを良いことにひどい事を言ってきます。(でも実際には録音されています)
もしかしたら、仕事や生活の不満のはけ口として利用されているのかもしれません。

何かに激怒して、怒り心頭に発したときに電話をしてくるのですから、どんな丁寧な対応をしたって厳しいのです。中には子供のような自己中心の大人もいるし。

それにオペレータといっても普通の人ですから、忍耐力にも限度があります。あまりにもイヤなことを言われれば忍耐できなくなります。

でも基本的にオペレータは、口答えしないことを要求されます。ひたすら会社の窓口として謝り続けるのみです。自分は何も悪いことをしていないのに怒られ、怒鳴られ、イヤミを言われます。
「今の言葉づかいは許せん。俺に謝れ」とか
「何だ今の態度は! おまえなんてクビににしてやる。今すぐ上司に替われ」なんて事を言われます。

そんな時、オペレータは、
怒らせてしまった後悔と、自分が問題を起こしているんじゃないかという恥ずかしさと、理不尽な言葉を浴びせられても口答え出来ない悔しさと、お客さんが上司に自分の悪口を言っている悔しさと、自分の待遇が悪くなるかもしれないという不安感とが同時に襲ってきて怯えています。

それでも、上司から「君は何も悪くないよ」と言ってもらえれば救われますが、そんな上司ばかりとは限りません。非常にしんどい仕事です。

以前、私はこの人たちに、こんな仕事はあまりにも辛い仕事だから他の仕事に変わったらいいと勧めていました。

でも、時間が経つにつれて気がついたことが2つあります。

ひとつは、お互いがとても仲良しなことです。お互いに慰め合ったり、時には同僚を擁護する為に上司にたてついたりします。下手をすると自分の立場も危うくなるのに、同僚のために上司に文句を言う人たちが大勢いるのです。

もうひとつは、みんな思いやりがあり優しいんです。細かなことに気がつく人とかっていますけど、そういう事じゃなく、言葉が優しいんです。誰かの失敗で自分たちが嫌な思いをしたとき、露骨に非難して当然の状況でも、言葉を選んで話をしています。

それで気がついたのです。理不尽で精神的にキツイ仕事ですが、心がとても美しく成長しているのです。

逆に、自分が受けた心の傷や痛みを原動力として、思う存分言い返して、その度ごとにスッキリしていては成長がないことが予想できます。

心に受けた痛みを忘れず、傷を抱えていてこそ、他人の心の痛みが自分の痛みのごとくに感じられるのだから、いちいち「売り言葉に買い言葉」でスッキリさせて痛みを忘れてしまうのは、心の成長としては損な行動なんですね。

だから、今では、クレーム対応は辛いけど良い仕事だと思うようになりました。
ただし、受け止めきれずに恨みになるとまずいです。孤独になると危険だと思います。否定を受けても、上司と同僚が味方になっていてくれれば、きっと乗り越えられるでしょう。

特に、結婚を考えたらとても良い訓練の場だと思います。
夫婦ってお互いに傷つくことが多いですからね。聖人のような人同士が結婚したら問題ないかもしれませんけど。
普通の夫婦は聖人のような人格は無い上に、100%分かり合える筈もないのに、毎日距離は近いのだから、衝突は避けられないのです。

私は、衝突しながらも、何年もかけて理解できる範囲を広げていく努力をして、いい夫婦になっていくものだと教えられてきました。15年経った今も忍耐の継続中です(汗)

忍耐力が無く衝突に耐えられない場合は、干渉しないとか距離を置くしかなくなります。でも、距離を置けば衝突が少ない代わりに理解の度合いも少なくなり幸せも遠ざかるでしょう。
だから、どちらかに忍耐力というか寛容さが無いと、理解し合える前にバラバラになってしまい、結婚を後悔することに成りかねません。
「結婚とは忍耐である」という表現をする人がいますが、「忍耐の先にこそ幸福がある」というほうが誤解が少ないと思います。

コールセンターに限ったことではなく、自分に浴びせられた言葉に忍耐し、全てを許そうと努力することが、「損」な事のようで、実は「得」をしていることになり、いちいち反論してスッキリしていると、得した様で実は損している事になるのでしょう。

世の中、こういう逆説的なことが結構多いです。
以前に松居和の話で書きました「不自由になることで本当の幸せが得られる」のも同様でしょう。

物は、与えれば減るし、与え続ければいつかは無くなりますが、心の世界では、与えたら以前より増えるようです。増えた分はどこから来るのでしょうか。不思議です。でも間違いなく増えています。
逆に、忍耐しないで減らないようにしていると、いつまでも増えないのかもしれません。

面白いものです。
posted by こまもりパパ at 18:43 | Comment(8) | TrackBack(0) | 関係ない話
この記事へのコメント
いやー、そうとも言い切れませんよ。
普通の企業の電話オペレーターは口応えが許されてないんでしょうが
TV局の電話オペレーターはヒドいもんですよ。
特に性の乱れを増長する番組に対する反論を言おうものなら
オペレーターもムキになって反論してきます。
マスコミはフリーラブ、フリーセックスにして
恋愛市場主義で儲けたいんでしょうが
視聴者の声に耳を傾けない横柄な態度には
ホント、ウンザリしてきます。
何度かけても、どこの局も同じなので
最近は言ってもしょうがないとあきらめていますが…。
Posted by あ at 2011年05月03日 22:49

性の乱れを増長する番組ってどんなのですか?もしよろしければ、具体的な番組名を教えて頂きたいです。お願いします。
Posted by 12434 at 2011年05月04日 18:04

>>12434さん

番組名より、わざわざ恋愛ネタをふって
「高校生になったら、彼氏いて当たり前」的に
扇動する番組のことです。
彼氏=セックスですし、そうやって焦らせて
10代の恋愛が当たり前になって行く。
付き合ったなら、互いに責任をとるぐらいの
深い思いやりがあれば、もっと長く続くでしょうが、それほど真剣には愛してないから
元彼当たり前。
テレビでも「元彼が…」なんて恥ずかしげもなく
しゃべっている。
「元彼いた=セックスを体験した」ということでしょう?
個人的には、そういう女性はどうかと思いますね。

その反面、カップル同士、人間としての深い思いやりでつながって、互いに成長していくといった
愛の物語は、ほとんどないでしょう?

簡単に付き合っては別れということこそ
性の乱れにつながっていると思いますし
そういうテレビが多すぎますね。
最近ではNHKですら平気でこういうネタ
ふってきます。
Posted by あ at 2011年05月04日 23:54

あさんは、ずい分と禁欲的な思想を持つ方なんですね。仰ることから考えると、「新婚さんいらっしゃい」とかもダメってことになります。あの番組バツイチの方とか普通に出演しますから。それに、テレビに出ているタレントに、元彼元彼カノがいない人はそういませんでしょう。タレントがそういった話もしてはいけないことになるし。
Posted by 12434 at 2011年05月05日 05:40

じゃあお聞きしますが、自分の結婚相手が
過去に複数の男性とセックスをしていて
更にそれでは物足りなくて同性愛も経験済みという女性でも
気にならないんでしょうか?

性道徳の話は、個人の人格や人生観、美意識
家庭での躾の問題とも大きくかかわってくるので
人それぞれでしょうし
建前から行けば、法に触れなければ
どんな卑劣な行為もOKなんでしょうが
個人的には、禁欲的というより
人として、相手(恋人、未来の配偶者)を思いやり、絆を深めていくことをしなければ
家庭も成り立たなくなるでしょうし
家族が崩壊している家が多ければ
国家の存立すら危うくなると危惧しているので
性の乱れには、個人として嫌悪感を覚えます。

まあ、乱れた性欲が気持ちいいというのも真実でしょうが
そういう欲望はオナニーで発散させるなど
自己の本能を抑制させるといった理性が必要と思っています。
Posted by あ at 2011年05月05日 18:54

私は別にそういう女性でも構いませんが?むしろ、そういった行為を「卑劣」を称するあなたの方がどうかと思います。少し言い過ぎではないかと。また、乱れた性欲が国家の存立を害するとは思いません。日本は昔から性に関しては非常に寛容でした。とっくに消滅していないとつじつまが合いません。
Posted by 12434 at 2011年05月05日 19:39

>じゃあお聞きしますが、自分の結婚相手が
>過去に複数の男性とセックスをしていて
>更にそれでは物足りなくて同性愛も経験済みという女性でも
>気にならないんでしょうか?

一般論としてどうかという事と、自分の恋人ないし結婚相手としてどうかという問題は分けて考えるべきですね。
例えば私が長髪の女性が好みだとして、女性はみんな長髪にすべき、なんて主張しだしたらおかしいと思いますよね。

地方の寒村で村八分やってる、なんてニュースが今でもときたま出てきますが、あれなんかは密度の濃い人間関係しか持てない事の弊害なので、絆を重視する考え方もそれはそれで問題があると思いますね。
少なくとも他人に強制することではないかと。


ああ、それとブログ記事の内容ですが、正直こまもりパパさんの職場が特別良い環境であるか、あるいはこまもりパパさんが美点以外から目を背けているのだろうな、と思いました。

「忍耐の先にこそ幸福がある」って、それはたまたまそうだっただけで真理ではないですね。
下っ端には将来幸せになれると思い込ませておいた方が扱いやすくなるからそのような言説が流布しているだけで、下手に我慢すると将来より不幸になるような苦労というのも沢山ありますよ。

例えばいま福島原発で苦境に耐えながら必死に働いてる下請け作業員に、将来なんの幸福があるのかと。派遣労働問題全般についても同様。
Posted by 黒屋ぶるー at 2011年05月05日 21:15

密度の濃い人間関係において、村八分が起こりやすいのは事実でしょう。
私がいいたいのは、国家の中の最小単位としての家族の絆のことですよ。
この辺りは、私の説明不足だったかもしれませんね。
家族は一対の男女からなるわけですし
なら、夫婦間が絆や、人間としての倫理観、正義をたっとぶ人生観を持たなければ、それを子供にも伝えられないと思いますよ。
そもそも、恋人時代にセックスをして
肌と肌が触れ合ったなら、相手を一生、大事にしたいと思いませんか?
犬や猫でさえ、ともに暮らしたなら、離れるのは
さみしい。
ましてや、相手は心を持った人間だから
セックスまでした相手と別れられるというのが
正直、理解できません。
個人の見解としては、このように思っていますが
法の縛りがない以上、個人の人格やモラルの問題なので、どうすることもできませんが。
Posted by あ at 2011年05月07日 16:30

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